スイートピー農家の農作業日誌

淡路島のスイートピー農家の農作業日誌です

克服

当地では、10数年前から「ピシウム菌類」による被害が増えました。
ピシウム病とは、全国のあらゆる植物に被害が及んでいて、スイートピーでは、灌水の水中に居る細菌が、根から侵入して、葉を下から順に枯らしてしまいます。
一旦進入させると、廃棄するしか対策は無くて、本当に厄介な細菌です。
うちの温室でも、12~3年前に、少しずつ感染が出始めて、その後3~4年経つと、畝によっては半分以上枯れた事も有ります。
いろいろな薬品で消毒しても効果は無くて、諦めかけて最後に「タチガレエース」という昔から使われている農薬を灌水の水に混ぜて使った所、劇的な効果が出ました。
3年経った今年は、一部罹患した樹が有りましたが、95%は感染しませんでした。
原因や、病原菌を突き止め、対策を確立するまで10年掛かりました。
農業被害は、克服するのにそれ位時間が掛かるのです。
元は、川の上流の農家が、罹患した野菜や花を川に捨てた事から、広がってしまったのです。